詩の作り方

このページを読みながら、順番にことばを集めていくと、最後に自分の詩ができあがります。むずかしく考えすぎず、まずは書けそうなことばから進めてください。

1. 詩にしたいものを1つ決める

まず、詩の中心にするものを1つ決めます。詩は話を広げすぎると弱くなります。1つにしぼると、まとまりのある詩になります。

たとえば
空 / 雨 / くつ / 帰り道 / 教室 / 風 / かばん

「帰り道」や「雨」のように、見たり聞いたりしやすいものを選ぶと作りやすいです。

2. そのものを見てわかることを書く

気持ちをいきなり書くより、まず見えることを書くと詩らしくなります。カメラで見えることばを集めます。

たとえば
赤い / 白い / 長い / 小さい / まるい / ゆれる / 光る

「空」なら「赤い」「広い」、「雨」なら「細い」「白い」のように考えます。

3. 聞こえる音や、さわった感じを書く

詩では、見えることだけでなく、音や手ざわりも大事です。これを入れると、読んだ人の頭の中に場面が浮かびやすくなります。

たとえば
しーん / ぽつぽつ / ざあざあ / こつこつ / つめたい / ざらざら / ふわふわ

「雨」なら「ぽつぽつ」「つめたい」、「くつ」なら「こつこつ」です。

4. 気もちをそのまま言わずに、行動で書く

「かなしい」「うれしい」とそのまま書くより、行動や様子で見せるほうが強い詩になります。

たとえば
かなしい → 下をむく
うれしい → 走りたくなる
こわい → 足がとまる
さびしい → ひとりだけおそい

「かなしい」ではなく「下をむいて歩く」と書くと、気持ちが伝わりやすくなります。

5. ふつうの文を、詩の言い方に変える

詩では、説明の文をそのまま書かず、少し言いかえると印象が強くなります。

たとえば
雨がふっている → 白い糸がおりてくる
風がつよい → 風がせなかを押す
夕やけがきれい → 空が赤くもえている

「雨がふっている」より「白い糸がおりてくる」のほうが、場面が目に浮かびます。

6. にているものにたとえて書く

たとえを使うと、ふつうの文が一気に詩らしくなります。「〜みたいだ」「まるで〜」を使うと作りやすいです。

たとえば
雨は糸みたいだ
月はボールみたいだ
かばんは石みたいだ
風は手みたいだ

「かばんが重い」を「かばんは石みたいだ」にすると、重さが伝わりやすくなります。

7. 大事なことばをくり返す

同じことばをくり返すと、リズムができて詩らしくなります。

たとえば
まだ / まだ / まだ
しずか / しずか
こつこつ / こつこつ

「まだ明るい」「まだ鳥が鳴く」のように使うと、気持ちや場面を強めることができます。

8. 1行を短く切って書く

詩では、文を短く切ると読みやすくなり、大事なことばが目立ちます。

たとえば
雨がふる → 雨が / ふる
だれもいない道 → だれもいない / 道

「雨がふる」を「雨が」「ふる」と分けるだけでも、詩の形に近づきます。

9. はじめの2行を作る

ここでは、集めたことばを使って2行だけ作ります。長く書こうとしなくてかまいません。

たとえば
白い糸が
空からおりる

こつこつ
くつがひとつなる

「白い糸が / 空からおりる」は雨の詩の始まりです。「こつこつ / くつがひとつなる」は帰り道の詩の始まりです。

10. つぎの2行で、気もちを場面で足す

後半では、気持ちを言葉で説明せず、場面や動きで足します。

たとえば
ぼくは
下をむく

まだ
信号は赤い

「ぼくは下をむく」と書けば、悲しさや重さが伝わります。「まだ / 信号は赤い」のように、くり返しや色を入れてもいいです。

11. さいごの1行を、余いんがのこるように書く

最後は「〜と思った」のように説明で終わるより、場面や音で止めると余いんが出ます。

たとえば
風だけが先に行った
空だけが見ていた
くつの音だけがのこる

「風だけが先に行った」で終わると、さびしさや静けさが残ります。

12. 題名をつける

題名は、詩の中心になることばを短くつけるとよいです。

たとえば
帰り道
白い糸
赤い信号
くつの音
夕やけ

「気もち」「思い出」のように広すぎる題名より、「白い糸」「くつの音」のように具体的な題名のほうが強いです。

13. 完成の例 1

白い糸
白い糸が 空からおりる まだ まだ くつがぬれる ぼくは 下をむく 風だけが 先に行った

これは「雨」をテーマにした完成例です。見えることばの「白い糸」、くり返しの「まだ」、行動で気持ちを見せる「下をむく」、余いんのある終わり方「風だけが先に行った」を使っています。

14. 完成の例 2

くつの音
こつこつ こつこつ だれもいない道で ぼくのくつだけ しゃべっている まだ明るいのに かばんは 石みたいだ

これは「帰り道」をテーマにした完成例です。音のくり返し「こつこつ」、擬人法の「くつだけしゃべっている」、たとえの「石みたいだ」を入れています。短いですが、場面が伝わる詩になっています。

15. 書いたあとに、たしかめること

詩は書いて終わりではありません。最後に見直します。

「気持ちを説明しすぎていないか」「見えることばが入っているか」「くり返しがあるか」をたしかめると、詩の質が上がります。